当院の歯周病治療の特徴をご紹介いたします。
今や歯科医療も進歩し、「歯周病を防ぐためにはどうすればいいのか」、「歯周病になってしまった場合どのような処置をすれば改善するのか」などが科学的に実証されており、その通り行えば、歯周病も防げますし、また歯周病も改善します(重度の場合はケースによります)。
当院では、まず始めに、細菌検査・唾液検査や口腔内検査等をしっかり行います。歯周病の原因や適した治療法は患者さんによって異なるからです。歯周病の状態、歯質の状態、歯周病へのなりやすさなどのデータを取得し、科学的根拠に基づいて患者さんそれぞれの治療プログラムを作成していきます。
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唾液検査 「唾液を検査して何が分るの?」とおっしゃる方も多いですが、実は、非常に多くの大切なことが分かります。プラークを採取するだけで痛みは抑えられます。
悪玉菌の量やバランスを知ることができます。
プラーク内の細菌の総量を知ることができます。
その他、様々な情報を分析することで、あなたの歯周病になりやすさを判定できます。
通常の歯周病治療だけでは良くならない場合があります。むしろ良くならない治療を継続することで、歯周病が進行してしまう事もあります。
そのような悪循環に陥る前に細菌検査をすることをお勧めします。
この検査を行う事で、歯周病リスクの程度を知ることができます。その結果からあなたオリジナルの歯周病治療プログラムを作成して、更に、治療終了後の予防処置効果の検証など、あなたの歯を守るための一歩進んだ歯科治療が可能となります。
位相差顕微鏡による細菌検査
歯周病は「感染症」です。
つまり、歯石・歯垢などの汚れを取っても「歯周病菌」そのものを「除菌」しなければ、またすぐ菌が増えて症状が再発しますので、基本治療と共にこの除菌が大切になります。
少しわかりにくいと思いますので、身近な例でご説明します。
風邪をひいたときは、薬を飲んで原因菌を殺菌しますよね。
実は歯周病も同じことが言えます。歯周病は歯周病原因菌(歯周病菌・カビ)の働きにより引き起こされます。つまり、歯垢・歯石の除去だけでなく、根本的な原因となっている「菌」を除去することで歯周病を改善に向かわせます。
当院では「位相差顕微鏡」という特殊な顕微鏡を利用し悪さをしている細菌を観察できます。治療による口腔内の状態の変化も、この検査により簡単に把握することができます。
歯周ポケットの測定
「ちょっとチクッとしますね」と言われて、何やら歯科器具で歯ぐきを「ツンツン」されたことはありませんか?
これは歯周ポケットを測定(ブローピング)し、歯周病の進行度合いをチェックする検査です。
歯周病治療では、まずこの検査をしなければどのような治療をすべきかの戦略が立てられません。
患者さんに「このような経験(ツンツン)はありますか?」と聞くことがあるのですが、「ありません」「1度だけ経験したことがあります」というご返事をよく頂きます。
先ほどもお話ししたように、この検査は歯周病治療では避けて通れない検査であり、かつ、1度だけでなく定期的に行わなければならない検査です。この検査をしないという事は、羅針盤と海図をもたずに航海することと同じであり、現在どこまで歯周病が進行しているのか、そして、どのような治療をすればいいのかを考えずに治療を進めていることと同じです。
当院では、歯1本に対し6か所の歯周ポケットの測定を行っています。これにより、歯周病の進行度合いを確認して、適切な治療計画をご提案することが可能になります。
唾液検査によるお口の状態の確認、TBI(ブラッシング指導)、PMTC(専門の機器を用いたプロによるクリーニング)、患者さんが納得するまで行うカウンセリング、生活習慣の見直しを併用した患者さん独自のオーダーメイドの歯周病治療プログラムを構築していきます。
歯周病治療の一つである歯石を除去することを「スケーリング」といいます。
このスケーリングを「麻酔をされながら」治療をしていただいた経験はありますか?
これもほとんどの患者さんは経験がないと思います。
歯周病が進行すると、骨が溶け、歯と歯肉に隙間ができてきます。
これが皆さんご存知の歯周ポケットです。歯周病菌はこの歯周ポケットの奥にドンドン入り込んでいきます。つまり、奥に入り込んだ歯周病菌や歯石を除去しなければ根本的な治療は出来ません。
下のレントゲン画像は歯肉の奥に歯周病菌(歯垢・歯石)が入り込んだ状態の画像と、それを改善した画像です。マークがついている部分を除去しました。
保険適用。歯周病を治療した症例。リスクとしては、治療中にしみることがあります。
この治療をするにはどうしても痛みが生じるため、麻酔を使って治療を行います。
麻酔をしないで治療できる部分は歯肉の上の部分だけであり、歯周病が進行している場合、いくらそこに付着している歯石をとったところでまったく意味がありません。歯周病が進行しているのは、そのもっと奥の部分なのですから・・・。
右の画像を見れば今までお話ししたことがご理解いただけると思います。
ラインが入っている部分が歯肉の上と下との分かれ目です。上の部分は綺麗ですが、下の部分に歯石がびっしりついてしまっています。
この部分をしっかり除去しなければ将来的には抜歯の運命が待ち受けています。
このように本当にやるべき治療が行われていないのが現状です。
歯科医院を選択される基準として、「歯周ポケットの定期検査」「麻酔をしたうえでの歯石除去」の2つをしっかり実施している歯科医院での治療を強くお勧めいたします。
骨再生療法とは、歯周病菌が原因で溶けて減ってしまった骨を再生させ、歯が抜け落ちてしまう事を防止する治療です。当院では、「エムドゲイン法」「GTR法」という骨再生治療を行っております。
エムドゲイン法を簡単にご説明しますと、エムドゲインゲルという薬を患部に塗ることで、本来備わっている骨の再生能力を発揮させる療法です。
この治療法では、エムドゲインゲルという薬剤を使用するため、身体への安全性について患者さんからご質問されますが、身体への悪影響はありませんのでご安心ください。
「メンブレン」という特殊な膜を活用することで骨を回復させる療法を「GTR(Guided Tissue Regeneration)法」といいます。
骨にはもともと再生能力が備わっていますが、骨よりも歯肉の再生スピードが速く、骨が再生されるはずのスペースを歯肉が覆ってしまうため、通常骨は再生されません。
しかし、メンブレンを用いることで、骨が再生されるスペースを歯肉に邪魔されることなく確保することができるため骨を再生させる事が可能となります。
個人差はありますが、おおよそ数か月後には、新しい骨が再生されます。
このように当院では骨再生療法を積極的に実施しておりますので、他院で「歯を抜かなければなりませんね」と言われた方、重度歯周病の方、どうしても歯を残したいとお考えの方、一度当院にご相談ください。
歯周病が進行すると、「歯がグラグラ」してきます。
これは、歯周病菌により顎の骨がどんどん溶かされ、歯をしっかり支えられなくなったために起こる症状です。
そのままにしていると、ある日突然「ポロッ」と歯が抜け落ちてしまいます。
基本的に一度骨が溶けてしまうと元に戻ることはありません。
当院では、可能な限り抜歯を避けるため、「歯周補綴」「歯冠長延長術」を行っております。
歯周補綴
歯周病の進行により「グラグラ」してしまった歯を、かぶせ物・インプラント・入れ歯・矯正治療などを駆使し総合的に対処することで可能な限り歯を残す方向で対処する治療法を歯周補綴と言います。
- Step1
歯周病の進行によって骨が溶け、歯の根が露出してきます。このような状態になると歯そのものがグラグラと揺れてきてしまいます。
- Step2
揺れを止める為に、隣同士の歯を連結していきます。そのために、まず、歯を整形して被せ物が出来る状態にします。
- Step3
連結した被せものを制作して被せます。これによって個々の歯は、連結固定効果を得ることができます。
歯冠長延長術
歯冠長延長術とは、外科処置により歯肉の上に露出する歯質を多くする処置です。歯周ポケットが除去され、環境改善やその後の的確な治療の施工が可能となります。
審美性の回復
歯周病治療をすると「歯が長くなってしまう」ということを聞いたことがあると思います。
実際、歯が長くなったように見えるのですが、これは「本来の健康な状態に戻った」と言った方が正確です。
歯周病が進行すると歯を支える骨がドンドン溶かされると共に、炎症を起こして歯肉が腫れあがります。
歯を支える骨が溶かされれば当然歯茎もドンドン退縮し、歯の根が露出してきて歯が長く見えてしまうのですが、炎症により歯肉が腫れあがりますので、外からは歯が長くなった状態を確認することができません。
しかし、歯周病が改善することで歯肉の炎症が治まり、本来の歯の姿が見えてくる事になります。
「お口の健康は取り戻せたけど、見た目はなんとかならないの?」
治療を終えた方から良くこのような質問を受けます。
当院では「歯肉移植術(FGG/CTG)」という方法で、この「見た目」改善に取り組んでいます。簡単に説明しますと、上顎の歯茎から歯肉を取ってきて、見た目が悪い部分に移植するという方法です。
歯肉移植術は技術を要しますので適応により施術させて頂きます。
「お口の健康」と「美」を追求したい方、当院にご相談下さい。
「機能性(咬み合わせ)」の回復
歯周病によって奥歯を失うと、咬み合わせのが低下し、前歯が突き上げられ、歯並びが悪くなります。
皆さんは「咬み合わせが悪くなっても問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、決してそのような事はありません。
咬み合わせが悪くなってくると、歯全体で「咬む」力を分散させることが出来ず、特定の歯に過剰な咬む力が加わることになります。そうすると、その歯が「動揺」することで、歯と歯肉の間に溝ができ、そこに歯周病菌が入り込める環境が作られるのです。
また、咬み合わせがおかしくなることで肩こり、頭痛、腰痛など体の不調が出る可能性があるとも言われています。
このようなことから、当院では歯周病治療と共に、適切な咬み合わせの回復を考慮に入れた包括的治療を実施しております。
歯周病治療は他の治療と比べ、特に患者さんのご協力が必要になる治療になります。
患者さんにご協力して頂くためには「歯周病に対する理解」と「口腔内の現状理解」が必要です。そのために当院では様々な「情報提供ツール」を活用し、患者さんに納得して頂けるまで説明を行います。例えば、レントゲン画像で骨の状態の報告、細菌の状態を位相差顕微鏡でお見せする、術前術後の状態を写真でお見せする等の取組みを行っています。
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